会長挨拶
私は、2019年度から、広島バイオテクノロジー推進協議会の第3代会長に就任しました。本協議会は、広島県のバイオテクノロジーの産学官の有機的な連携を図りつつ、広島県のバイオテクノロジー技術の開発普及と発展を目的に、1985年(昭和60年)に設立されました。
設立には、湧永製薬株式会社中央研究所の不破亨所長と広島県農政部の竹下彪部長が中心となり、和牛の受精卵移植技術普及を契機に、全国に先駆けてバイオテクノロジーに関する各分野の専門家が集い、広島県農林水産業の未来を語る会として発足しました。
初代会長には設立に尽力された田中隆荘 元広島大学長が就任,1990年(平成2年)に2代目会長として不破 亨 先生(元湧永製薬株式会社 副会長・現顧問)が就任され、農林水産省農業生物資源研究所長や全国農業協同組合連合会技術顧問、また日経バイオテクの宮田満編集長に御指導、御講演を仰ぎながら、2018年度まで本協議会を牽引してこられました。私は不破 亨 先生の本県バイオテクノロジー推進に懸ける強い意思を受け継ぎ、本協議会のさらなる発展のために誠心誠意努力致しますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、本協議会は、毎年、春の総会では「総会記念講演会」を、秋には市民に対するバイオ技術の普及と情報発信を兼ねて「広島バイオフォーラム」を開催しております。また、冬には会員間の研究交流を目的とした「研究成果発表会」を開催しております。これまでに行われた講演演題の総数は400件を超え、その他にも、会員相互の交流会を年数回開催しており、本交流会は広島県のバイオ技術の開発と普及のための情報交流の場になっています。さらに、バイオテクノロジーに興味を持つ若手人材の養成にも力を注いでおり、高校生の研究成果発表の場も設けています。
本協議会は、広島大学で開催される「生物学オリンピック本選(国際生物学オリンピックの日本代表者を選ぶ大会)」に協賛しているほか、広島県内企業の要望に応じてバイオ研究アドバイザーの派遣事業等を行うことで、広島県のバイオテクノロジーの発展に貢献するなど、実績と伝統を持つ協議会です。
近年、次世代のバイオテクノロジー技術として、「ゲノム編集技術」が注目されています。広島大学は「ゲノム編集研究拠点」となっていることから、広島バイオテクノロジー推進協議会は、広島大学の支援を受けながら、広島県内のゲノム編集技術を活用するための実用化研究の推進活動に協力しています。
広島県には、バイオ技術に興味を持つ人材を育成する大学、バイオ・食品関連企業並びに広島県立総合技術研究所等などがあります。その他の公的組織として、独立行政法人 酒類総合研究所、国立研究開発法人 産業技術総合研究所中国センター、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所、国立研究開発法人 理化学研究所 生命機能科学研究センターなどもあり、まさに広島県はバイオの宝庫と言っても過言ではありません。
会長としては、広島県内のバイオテクノロジー関連組織・団体、並びに関係者のご支援を戴きながら、広島県のバイオテクノロジーのさらなる発展と成長をめざす所存でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
広島バイオテクノロジー推進協議会
会長 江坂 宗春